熊本大学・がん博士育成プログラム 平成27年度修了者
現職 熊本大学医学部附属病院 消化器外科・医員
江藤 弘二郎(熊本大学) 医師
私は熊本大学大学院消化器外科学に所属し、2015(平成27)年度に熊本大学の「がん博士育成プログラム」を修了しました。もともと外科学に興味があり、2009(平成21)年に熊本大学大学院消化器外科学に入局いたしました。外科治療の中心はがんであり、治療をする中で発がんや転移の機序について考えるようになりました。そこで、入局3年目に当たる2011(平成23)年に熊本大学の「がん博士育成プログラム」に進むことを決めました。
ベースとなる研究は、胃癌で使用が可能となったトラスツズマブに対する耐性機序の解明の研究をさせていただきました。耐性機序の一因として、microRNAとその下流シグナルが関与している可能性を論文で発表し、学位を取得いたしました。がんプロコースは自分の専門分野のみならず、消化器、呼吸器、内分泌、整形外科、小児がん、血液、泌尿器科、婦人科領域それぞれのがんに関する講義が非常に充実しており、各専門の先生方よりこれらを網羅的に学ぶことができ、大変有意義でした。
学位取得後は、日本で有数のhigh volume centerであるがん研有明病院胃外科で3年間国内留学をさせていただきました。その際も本プログラムで学んだことで、がんを多方向から考え、診療につなげることができたのではないかと思います。現在私は熊本に戻り、熊本大学消化器外科で上部消化管を中心に診療を行っています。本プログラムで学んだことをベースとして、少しでもがん医療の発展に貢献できるように、臨床・研究に取り組んでおります。
(2018(平成30)年8月掲載)